超人ハルク

ハルクのキャラクターは、スタン・リーとジャック・カービーにより生み出され、1962年のマーベル・コミックで初登場した。
1977年、「600万ドルの男」や「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」の制作で知られる、テレビ・プロデューサーのケネス・ジョンソンにより実写化され、2時間のパイロット版 ”The Incredible Hulk” が制作された(日本では、第1・2話の「ハルク誕生」前・後編として放送)。デビッド・バナー博士役に「ザ・マジシャン」で主役を演じたビル・ビクスビー、変身後のハルク役には、ボディ・ビルダーで1974年度ミスター・アメリカおよびミスター・ユニバースのルー・フェリグノが配された。その後、続編の2時間版 ”Return of the Incredible Hulk” (再放送などでは2パートの ”Death in the Family” に改題、日本でも「一人ぼっちの相続人」前・後編として放送)が制作された後、1時間枠のドラマ・シリーズとなった。
デビッドからハルクへの変身は、まず激怒したデビッドの目(虹彩)が白くなり、皮膚が緑色に変色(ここまではビクスビー)、筋肉が盛り上がって着ていた服が裂け、ハルクへ変貌(フェリグノ)というプロセスで行われた。白い目は、カラー・コンタクトレンズを装着して表現している。また、本当なら服が裂けるのであれば、当然ズボンも裂けて脱げ落ちなければおかしいのだが、そこはテレビの規制上、同色のバミューダ・パンツで丈が短くなったように見せてしのいでいた。
毎回のストーリーは、デビッドが放浪先で、さまざまな人々と関わることで起こる出来事を描くことに主眼が置かれている。しかし、結局はハルクに変身して騒ぎを起こし、マクギー記者の執拗な追跡も受けて長くとどまることができず、また放浪を続けるというエンディングとなる。このパターンは、1960年代のドラマ「逃亡者」の影響を受けている。「逃亡者」は、身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告された男が、刑事の追跡を逃れながら真犯人を探し求めて逃亡を続ける物語で、細かな違いはあるものの、構図的には非常に良く似ている。
シリーズ終了後、1988年に続編のスペシャル版 “The Incredible Hulk Returns” 「新 超人ハルク/勇者伝説」が作られ、1989年には “The Trial of the Incredible Hulk” 「超人ハルク’90」、1990年には “The Death of the Incredible Hulk” 「超人ハルク/最後の闘い」が、デビッド・バナー役のビル・ビクスビーの監督で制作された。ビクスビーは、その後1993年に死去している。
2003年には映画「ハルク」が製作されたが、設定やストーリーには違いが見られる。また2008年にはスタッフ、キャストを一新した映画「インクレディブル・ハルク」が製作されており、元祖ハルク役者のルー・フェリグノが、警備員役で顔を見せている。

「超人ハルク」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2012年8月6日20時(日本時間)現在での最新版を取得。
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